ここではH2 Database Engineをサーバーモードで使用するときの
・操作方法 について説明します。

　ここではまずH2 Consoleの操作画面が、ブラウザ上で開かれていることを前提にします。この画面が開かれていないときは、次の方法で起動してください。両者の違いは「■H2 DBの起動と停止」を参照してください。
　・サービス時　：スタートメニューから「プログラム」−「H2」−「H2 Console」と進みます。
　・非サービス時：スタートメニューから「プログラム」−「H2」−「H2 Console (Command Line)」と進みます。

　インストールしたH2 DBのバージョンにもよりますが、次のような画面になっていると思います（2007/10/20版ではこうなっていました）。

　この画面で接続先データベースの選択（指定）と、接続を行います。

　まず言語選択を、英語から日本語に変えておきましょう。

　さてこの画面上で下にある、「接続」ボタンを押すことによりH2 DBのデータベースに接続します。

　ただしここで注意があります。まだ「接続」ボタンは押さないでください。先に次のセクションを読んでからにしましょう。

　まずH2 DBのDB構成を書いておきます。一般的な他のRDBと変わりません。最初に「データベース」という管理単位があり、その中に「テーブル」がある、という構成です（H2の場合、この両者の間にくる「テーブルスペース」という概念はありません）。

　なんらかの操作をする場合、まず対象データベースに接続してから、ということになります。

　注意点というのは、H2 Console画面で「接続」ボタンを押した場合、次のどちらかの処理が行われる、という点です。まず「接続」ボタンを押すと、画面の JDBC URL で指定したデータベースに接続しようとします。このとき

　・指定したデータベースがあればそこに接続する
　・指定したデータベースが無ければ、そのデータベースを作成する

という動作をします。 　とりわけ2つ目の動作があり得ることが、重要なポイントです。なお「接続」ではなく、「接続テスト」の方でもデータベースだけは作成されます。このあたりは「H2 DBユーザー管理」でもう少し説明します。データベース作成前に先に目を通しておいたほうが良いかもしれません。

　では次にH2 Console画面での JDBC URL 指定パターンと、作成されるデータベースファイルの所在についてまとめておきます。

　JDBC URL で指定した jdbc:h2: の後ろが、接続（作成）しようとするデータベースの名前です。この名前部分の指定パターンによって、データベースファイルの作成場所が次のように変わります。

　次の例ではデータベースファイルを、c:\work\data\ に作成し、作成するデータベース名を testdb に変更しています。

　H2 Console画面で接続時に指定する JDBC URL 指定パターンにより、データベースファイルの作成場所が変わる、と説明しました。そしてその指定パターンの2番目、データベース名のみを指定したときは、H2インストールディレクトリ\bin\ がデータベースファイルの場所なのが初期状態です。
　ここではこの指定パターンのときに、対象になるデータベースファイルの場所を変更するやり方を説明します。

　その方法はH2 DB起動時のパラメータに、baseDirキーワードを追加し、その引数にデータベースファイルの場所（パス）を指定する、というものです。
　以下いままでの説明の続きと言うことで、c:\work\data\ をデータベースファイルのパスとする例で説明します。

　非サービス時はスタートメニューから「プログラム」−「H2」−「H2 Console」と進むことにより、H2 DBを起動します。
　従ってこのときのパラメータを修正します。

　修正するファイルは\Documents and Settings\WindowsユーザーID\スタート メニュー\プログラム\H2にある、H2 Consoleというショートカットファイルです。このファイルのプロパティに「リンク先」がありますが、その内容を修正します（Windows2000の場合は、「タスクバーをマウス右ボタンクリックでプロパティを選択」−「詳細タブ選択」−「詳細ボタン」と進み、「プログラム」−「H2」−「H2 Console」と選択してください）。

　修正後の「リンク先」の内容を全て書いておくと
C:\WINNT\system32\javaw.exe -cp "C:\H2\bin\h2.jar;%H2DRIVERS%;%CLASSPATH%" org.h2.tools.Console -baseDir "C:\WORK\DATA"
ですが、要は次の図のように -baseDir "C:\WORK\DATA" を追加してください。

　サービスとしてインストールしているときは、 H2インストールディレクトリ\service\wrapper.conf を修正することによって行います。
　次にwrapper.confファイルの修正該当部分を載せておきます。

#******************************************************************** # Wrapper Properties #******************************************************************** # Java Application wrapper.java.command=java # Java Main class. This class must implement the WrapperListener interface # or guarantee that the WrapperManager class is initialized. Helper # classes are provided to do this for you. See the Integration section # of the documentation for details. wrapper.java.mainclass=org.tanukisoftware.wrapper.WrapperSimpleApp # Java Classpath (include wrapper.jar) Add class path elements as # needed starting from 1 wrapper.java.classpath.1=wrapper.jar wrapper.java.classpath.2=../bin/h2.jar wrapper.java.classpath.3=%H2DRIVERS% wrapper.java.classpath.4=%CLASSPATH% # Java Library Path (location of Wrapper.DLL or libwrapper.so) wrapper.java.library.path.1= # Java Additional Parameters #wrapper.java.additional.1= # Initial Java Heap Size (in MB) #wrapper.java.initmemory=16 # Maximum Java Heap Size (in MB) #wrapper.java.maxmemory=64 # Application parameters. Add parameters as needed starting from 1 wrapper.app.parameter.1=org.h2.tools.Server wrapper.app.parameter.2=-tcp wrapper.app.parameter.3=-web wrapper.app.parameter.4=-baseDir wrapper.app.parameter.5="C:\WORK\DATA"

　太字の部分が追加したパラメータです。
　ここのポイントは、パラメータを２つに分けて、2行追加するという点です。
　追加するパラメータ自体は -baseDir "C:\WORK\DATA" と、-baseDirキーワードとその引数 "C:\WORK\DATA" の組で1つです。しかしキーワードとその引数は空白で区切られます。そのためwrapper.confファイル中のwrapper.app.parameterで指定する場合、1行では指定出来ません（区切りの空白でwrapper.app.parameterの指定が終わったと見なされる）。そのため2つに分けて2行で指定します。

　なお

1. 外部アプリからODBC経由で接続する
2. データベースファイルはH2インストールディレクトリ\bin\以外に置く

　なお正式なデータベース削除方法は、次の通りです。
　１：削除対象データベースに接続する
　２：DROP ALL OBJECTS DELETE FILES; を実行する
これでデータベースが削除できます。DELETE FILESキーワードを指定することによって、ファイルも削除されます。

　選択したデータベースに接続すると、次のコンソール画面が表示されます。

　H2 DBに対する操作、
　・テーブル操作（作成・変更・削除・・・）
　・バックアップ／リストア
　・ユーザー登録、権限変更
などは、この画面から行います。

　すぐにこれらの操作説明に行きたいところですが、先に「データベースからの切断」方法を説明します。

　接続したデータベースから切断するには、コンソール画面左上にある「切断」ボタンをクリックしてください。

　このボタンを押すことにより、最初の接続先データベース指定画面に戻ります。

　ここまではH2 DBが動作しているのと同じPC上から、H2 Consoleを使って接続する説明をしてきました。

　ここでH2 DB動作PCの、外部からのアクセスを可能にする方法と、別PCで動いているH2 DBに接続する方法について説明します。

　まず外部からの（別PCからの）接続を可能にするには、H2 DBの設定を変更する必要があります。

　設定方法は2通りあり、一つは設定ファイルを直接修正する方法です。もう一つは設定画面から行う方法です。

　H2 DBの設定ファイルは.h2.server.propertiesという名前で、これは
C:\Documents and Settings\H2 DBをインストールしたときのユーザーID\ ディレクトリ、つまりインストールをしたユーザーIDのHOMEディレクトリにあるはずです。

　ただしこのファイルが無い場合もあります。インストール後、初期状態のままのときです。一度下の説明にある「H2DB設定画面」の手順で「H2コンソール設定」を表示し、「保存」ボタンを押したときにこのファイルは作成されます。

　このファイルの内容を以下に例示します。これは外部からの接続を許可しない設定の例です。

#H2 Server Properties #Fri May 23 20:49:57 JST 2008 0=Generic JNDI Data Source|javax.naming.InitialContext|java\:comp/env/jdbc/Test|sa 1=Generic Firebird Server|org.firebirdsql.jdbc.FBDriver|jdbc\:firebirdsql\:localhost\:c\:/temp/firebird/test|sysdba 10=Generic Derby (Server)|org.apache.derby.jdbc.ClientDriver|jdbc\:derby\://localhost\:1527/test;create\=true|sa 11=Generic Derby (Embedded)|org.apache.derby.jdbc.EmbeddedDriver|jdbc\:derby\:test;create\=true|sa 12=Generic H2 (Embedded)|org.h2.Driver|jdbc\:h2\:testdb|sa 13=Generic H2 (Server)|org.h2.Driver|jdbc\:h2\:tcp\://localhost/testdb|sa 2=Generic OneDollarDB|in.co.daffodil.db.jdbc.DaffodilDBDriver|jdbc\:daffodilDB_embedded\:school;path\=C\:/temp;create\=true|sa 3=Generic DB2|COM.ibm.db2.jdbc.net.DB2Driver|jdbc\:db2\://localhost/test| 4=Generic Oracle|oracle.jdbc.driver.OracleDriver|jdbc\:oracle\:thin\:@localhost\:1521\:test|scott 5=Generic MS SQL Server 2000|com.microsoft.jdbc.sqlserver.SQLServerDriver|jdbc\:microsoft\:sqlserver\://localhost\:1433;DatabaseName\=sqlexpress|sa 6=Generic MS SQL Server 2005|com.microsoft.sqlserver.jdbc.SQLServerDriver|jdbc\:sqlserver\://localhost;DatabaseName\=test|sa 7=Generic PostgreSQL|org.postgresql.Driver|jdbc\:postgresql\:test| 8=Generic MySQL|com.mysql.jdbc.Driver|jdbc\:mysql\://localhost\:3306/test| 9=Generic HSQLDB|org.hsqldb.jdbcDriver|jdbc\:hsqldb\:test;hsqldb.default_table_type\=cached|sa webAllowOthers=false webPort=8082 webSSL=false

　webAllowOthersパラメータがfalseになっているので、外部からの接続は許可されません。これをtrueに変えることによって、外部からのアクセスが可能になります。

　H2 DB設定画面を表示する手順は次の通りです。

　H2 Consoleを表示するために、H2 DBに接続します。その画面上部にある、「設定」をクリックしてください（H2 DBを終了させるときと同じです）。

　そうすると次の設定画面に移ります。

　このサンプルでは「クライアント接続許可」が、「ローカル接続のみ許可」にチェックされています。この場合はH2 DBが動いているのと、同じPC上でしか接続・操作できません。

　これを下の「他のコンピュータからの接続を許可」をチェックに変えることにより、他のPCからH2 DBに接続して操作出来るようになります。

　例えばJ2EE環境でAPサーバーとしてTOMCATを使い、H2 DBと同じPC上でTOMCATも動かしているとします。この場合は外部からの要求はTOMCATが受け付け、TOMCAT上のJavaプログラムで処理されます

　つまりサーバーJavaに対して外部からアクセス可能です。しかしH2 DBにアクセスするJavaプログラム、つまりTOMCAT上で動くJavaプログラムは、H2 DBと同じPC上で動くことになります。

　ということはこの場合は、H2 DBの設定が「ローカル接続のみ許可」になっていても、業務処理上は全く問題ありません。

　自分が使っているPCから、別PCで動いているH2 DBへの接続方法ですが、特に難しいことはありません。接続先データベースを指定するときはスタートメニューから、「プログラム」−「H2」−「H2 Console」と進み、次の画面を表示しました。これまでの例では接続先ホストとしてlocalhost、つまり同じPC上で動いているH2 DBを指定してきました。

　外部PCのH2 DBに接続するには、このlocalhostの部分を変更するだけです。

　ここを相手先PCのホスト名、もしくはIPアドレスに変えてから、「接続」ボタンを押してください。この場合、相手先PCが「外部からの接続許可」を設定済であることが前提です。